フロントに咲く梅/田中瑠美子
講評:梅の花は、桜の花と比較すると、ちょっと寂しく地味な感じですが、見慣れたそんな花でも、綺麗に磨かれた車のフロントガラスに写り込んだ梅は、青い空を背景にして、想像以上に魅力的に美しく見えたことでしょう。より美しいものにレンズを向けた感性に乾杯。[NIKON D750, 300 mm, ISO-400, 1/400 秒, F7.1, 絞り優先, その他の測光方式, 露出自動, 露出補正 0.0, ホワイトバランスマニュアル]
頬寄せ合って/浅田きみ子
講評:双子のように寄り添った二輪の花を、マクロ撮影する場合に、二輪共ピントを合わせるコツは、二等辺三角形の頂点にレンズを置くことです。もし不当辺三角形の頂点に置くと、どちらかのピントがずれる被写界深度の原理を習得した人が、得意とするテクニックです。[Canon EOS 70D, 250 mm, ISO-200, 1/400 秒, F6.3, ノーマルプログラム, 分割測光, 露出自動, 露出補正-0.7, ホワイトバランス自動]
古刹に春/松本誠治
講評:古い茅葺き屋根の鐘楼を背景にして、年輪を重ね手入れの行き届いた梅の老木が、季節の花を付けて、あたかも歌舞伎役者のように見得を切っているように見えます。わびさびの世界には、奥ゆかしい梅が良く似合います。この情景にレンズを向けたセンスが光ります。[Canon EOS 6D, 55 mm, ISO-100, 1/60 秒, F8.0, 絞り優先, 中央重点, 露出自動, 露出補正-0.3, ホワイトバランス自動]
ある造形/武者克衛
講評:ガレージに駐車している愛車だそうです。ガレージのシャッターの隙間から差し込む光線が湾曲したボディに不思議な幾何学模様を描いています。右下部分の切れ込み部分で車と推察でき、中央部の2つの突起は、ドアの取っ手部分です。武者ワールド炸裂の傑作です。[PENTAX K-S1, 250 mm, ISO-200, 1/40 秒, F22.0, シャッター優先, 分割測光, 露出マニュアル, 露出補正-1.3, ホワイトバランス自動]
竹林/中嶋幹忠
講評:鎌倉での空を覆うような、孟宗竹の根元にカメラを上向きに構え、ファインダーを覗かずにシャッターを切ったそうですが、主役の太い竹の質感と、広角レンズの効果で、周辺の竹が天空で一点に集約された遠近感と、先端部の葉までピントが合った構図が逸品です。[FUJIFILM X-Pro2, 11 mm, ISO-400, 1/160 秒, F4.0, ノーマルプログラム, 分割測光, 露出自動, 露出補正+0.7, ホワイトバランス自動]